今回は写真家の福居伸宏さんがご自身のサイト上で公開されているステートメントを参考に作品を制作、展示してみようと思います。全文引用させていただくと、福居さんのステートメントは以下のものです。
私は、私の写真をある種のウイルスだと位置づけています。たとえば、盲目の
人が光を取り戻したとします。網膜に差し込む十分な光、視神経から脳髄に伝
達される正常なパルス。しかし、その人は、目に届く光を感知できたとしても、
しばらくは「もの」を見ることができないでしょう。視覚経験のデータベース
に「もの」が登録されていないからです。「見たことのないもの」は「見えな
い」ということです。「もの」が見えなければ、空間=外界世界が知覚される
こともありません。では、「もの」が見える人はどうでしょうか。データベー
スは過去の視覚経験から選択保存されたものです。今日、人々の視覚経験は、
直接的にも再帰的にもメディアから大量供給される映像と情報に規定されてい
ます。敷衍して言えば、人が何を知覚するのかは、「もの」ではなくメディア
によるということです。そうした状況にある人々が、私の写真に感染すること
で、何を見るのか、何が見えるようになるのか、ということに興味があります。
(Every Sunday Nobuhiro Fukui
http://www.nobuhiro-fukui.com/frame_statement.html より, 改行原文ママ)